じゃがいもの芽は毒があると昔からいわれています。
結構有名な話ですよね。
うっかり食べてしまっても問題ないのでしょうか?
じゃがいもの芽や緑色になった皮にはソラニンという毒が含まれています。
どのくらいの量を食べたら中毒を起こすのか、大人と子供で量の違い、妊娠中にじゃがいもの芽を食べた場合どうなるのかを調べました。
じゃがいも芽は本当に毒はあるのか?
じゃがいも芽には天然毒素のアルカロイドの一種
ソラニン
チャコニン
が多く含まれています。
ソラニンとチャコニンは神経毒の一種でサリンと似た作用を神経におよぼします。
ソラニンやチャコニンは、芽のほかに光が当たって緑色に変色した部分にも含まれます。
じゃがいもの芽を食べた時にあらわれる症状は以下の通りです。
吐き気
嘔吐
腹痛
下痢
頭痛
めまい
毒のある部分をどんな味がするかというと食べると苦みやえぐみを感じます。
じゃがいもを食べて、もし苦みやえぐみを感じたら、芽が残っている可能性があるので食べるのはやめた方がいいと思います。
ソラニンは50mg以上摂取すると中毒症状があらわれ、150~300mgで死に至ります。
子供の場合は大人の1/10の量で中毒症状があらわれます。
じゃがいも100g中にソラニンやチャコニンが1.7mg程度含まれているので、市販のじゃがいもで換算すると1~2kgに相当します。
妊娠中の人がじゃがいもの芽などを食べた場合、母体に影響がなければ胎児にも影響はありません。
じゃがいもの毒素は母体でほとんど解毒できるためです。
じゃがいもの芽は胎児の神経管の発達を阻害するといわれていますが、それはじゃがいもの芽だけをたくさん食べた場合です。
その許容量を超えることは現実的にはまず考えられないので、特に心配する必要はありません。
授乳中でも同様です。お母さんに中毒症状があらわれなければ、母乳に毒素が残ることはありません。
じゃがいも芽の取り方
じゃがいもの芽の取り方で重要なことは
表面に出ている芽だけではなく、根元をふくめて完全に取り除くこと!!
ソラニンやチャコニンはじゃがいもの芽だけでなく、緑色に変色した皮の部分にも含まれます。
芽が出ていなくても緑色になった皮は厚めに剥き、緑色になった部分はすべて取り除くようにしてください。
ちなみに家庭菜園や学校で栽培した未熟なじゃがいもには多くのソラニンやチャコニンが含まれている可能性がありますので、皮ごと食べるのは危険です。
必ず皮を剥いて食べるようにしてください。
じゃがいもの芽があっても食べられる?
ソラニンやチャコニンは熱に強く、170℃以上で加熱をしないとほとんど分解されません。
ただし緑色に変色した皮を剥かずにそのまま油で揚げても、食中毒が起きた事例があります。
ソラニンは水溶性で水につけたり茹でると有毒性が減るといわれていますが、毒素が分解されるわけではありません。
芽や緑色に変色した皮は必ず取り除いて調理してください。
じゃがいもに含まれるソラニンやチャコニンの量は以下の通りです。
正常なじゃがいも:5~20mg
じゃがいもの芽や根:200~400mg
皮が緑色に変色した部分::150~220mg
ソラニンやチャコニンはほとんど皮の周辺に集中しているので、皮や芽を取り除けば問題ありません。
ただし緑色に変色したじゃがいもには変色していないじゃがいもの数倍のソラニンやチャコニンが含まれます。
家庭菜園や学校で栽培したじゃがいもは未熟なため、緑色に変色するのが市販品に比べ早くなります。
芽が出ていなくても緑色に変色したじゃがいもを皮つきのまま調理するのは避けましょう。
じゃがいもは光が当たると変色して緑色になります。
じゃがいもの保存は段ボールなどに入れて、日光だけでなく照明も当たらないようにして新聞紙をかけ、覆いをしてください。
保存する場所は冷暗所がおすすめです。
ただし冷蔵庫での保存は避けてください。
じゃがいもは冷蔵保存するとでんぷんの一部が糖に変わります。
冷蔵保存したじゃがいもをフライドポテトなど高温で調理するとじゃがいもの糖とアミノ酸が反応して発がん性物質アクリルアミドが発生します。
実際にそれを食べたからといって、がんになる!
というわけではありませんが、避けた方がいいと思います。
まとめ
じゃがいもの毒は芽のほかに光があたって緑色になった部分にも多く含まれます。
大人が食べた場合に中毒症状を起こす量はじゃがいも1~2kgに相当します。
ただし子供は大人の1/10量で中毒を起こすため、皮つきのままじゃがいもを食べれば1個でも中毒を起こすので注意が必要です。
じゃがいもの芽や緑色に変色した部分はしっかり取り除いて調理してください。